感想置き場

外出中

this/disコミュニケーション!

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 1巻無料を契機としてSNSで話題になっていたこの作品(既に無料公開は終わっています)。私自身もこれをきっかけに最新刊まで読んだのですが、これが非常に面白い。すぐにここで書こうかなと思ったのですが、面白い以外になんと書けばいいのかわからず避けていました。いまだになんと言っていいのかちょっとよくわからない。1巻に作品の良さが全て表れているので無料公開は広報として最適だったなとは言えるんですが…とにかく読んでほしい作品。

 

 舞台はリンク通り、突如現れた謎の生物によって人類は追い詰められた世界です。その世界で軍人をやっていた主人公デルウハは食糧を求めて元日本があったはずの高山に降り立ち、流れで改造人間である少女たちを率いて謎の生物と戦うことになる、という話。改造人間である少女たちは死ぬと1時間の記憶を失うのですが、それを主人公が利用して生き残りを図ります。

 

 この話の魅力は主人公デルウハが異常なほどの合理主義者であること。突き抜けた異常さは読者に好悪を同時に抱かせてくれます。またその異常さに対して望みが日々の食事というささやか(と言っても作中では貴重なものですが)なものであるのも良いんですよね。

 

(他の作品を例に出すのもどうかなと躊躇ったのですが、このブログを読んでくれている方は目にしたことがあると思う「レイジングループ」の彼を思い出される異常っぷりが魅力なのです。彼が情を持ち他者にそれを他者に合わせることができるに人間である一方、デルウハは情が存在していることを知っているが、とことん利用するためのものだと考えている違いはあるんですが。おそらくギミックを利用する姿と異常性を持つということの2点が彼らの共通点だと考えています。)

 

 デルウハと改造人間である少女たちの関係性も最高です。思春期の人間特有の不安定さや依存しやすさが作用するとこうなるのだなーといったとところ。大人と少女の歪な関係、たまらなくないですか?

 

とにかく最高なので是非とりあえず1巻を手に取っていただきたいです。次も楽しみ。