前に進み続けるシリーズ、ときメモGS ※追記あり
シリーズを手がけていたプロデューサーが退社され、続編は絶望的かと噂されたときめきメモリアルGSシリーズ。評価されているシリーズの続編は得てして前作と比較されるもので、私自身もプレイするまで不安でいっぱいだったのですが、期待を裏切らない内容でした。それどころか停滞することなく、新要素を入れてマンネリ化を防ぎ、そして進化していました。すごいよ、gsシリーズ。
(例:セーブデータの数増加、セーブデータにメモ機能搭載、グループシステム導入、それに伴い昼食システム導入、アルバイト先での攻略対象との会話増加、蛍システム導入など)
さて、感想を書いていきたいところなのですが、まだエンディングを見たのは3人だけです。というのも1周、つまり3年間過ごすのに大体12時間かかるんすよ……。しかもキャラ同士の掛け合いや、バイト先での差分、1キャラでも選択肢次第でスチルの絵が変わるとか全クリしようとすると時間がいくらあっても足りない!ということで、ボリュームがありすぎるので全部クリアしてから書こうとすると数年先になりそうなため、クリアした分を先に書いていこうと思います。気が向いたら他のキャラも追加していこうと思います。はてなが公式に許可されたらスクリーンショットも貼りたいですね。
以下、3周+αした感想です。以下のネタバレがある可能性があります。ご注意ください。
失敗 /風真(通常・風本七g)/氷室(風颯氷g・真)/七ツ森(真)
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色々ジュブナイル作品おすすめ
以下、学園もの・超能力や怪異があるものをジュブナイルと一括りにしている非常に雑な人間の記事です。
ざっくり言うと、美術部を乗っ取る謎の美少年探偵団に少女が男装して加入する話。
西尾維新×シャフトに釣られて見てみましたが、だいぶ良かったです。OPやEDから、主人公である眉美がしっかりとチームの一員になるまでを描いてくぞと言う製作陣の心意気が感じられて最高でした。原作も4巻まで購入して比較してみましたが、アニメでは皮肉やメタネタが削ぎ落とされており、より作品に触れやすくしているようでした。アクの強い文章(といっても他の西尾維新作品よりも控えめなのかもしれない)に初めは呆気に取られましたが、慣れるとそれが心地よく感じる不思議。なのでアニメから小説は良いのですが、小説からアニメを見た人は物足りなく感じるかもしれません。
内容に触れると、ミステリーというよりもジュブナイルに比重を置いてる気がしました。青年ではなく美少年と言うように、彼らは仲間のために胸を張って少年であろうとする姿がとても良い。また「団(チーム)である」と団則にあるように彼らは純粋なチームなので、恋愛が入らなそうなところもとても良いんですよね。純粋に美少年であろうとする姿が最高でした。また学内で閉じた話かと思いきや斜め上に世界が広がっていくのもワクワクして良かった。
人や話を媒体にして現実に侵略してくる「怪異」に関わることになった少年少女の話。
昔からネットで目にして気にはなっていたのですが、なかなか手に入れることが困難だった本作。少し前に新装版が刊行されたのでやっと読むことができました。読みたいこの時期の作品として悪霊シリーズがあるのでそちらも電子書籍化してほしいところ。
群像劇、オカルト、特殊な学校とまぁワクワクする要素で構成されており、とても肌に馴染む作品でした。空目という現世離れした少年が神隠しに合い、彼を取り戻すために同じ部活の少年少女が右往左往する話なので、この作品に惹かれるかどうかは、読者が空目くん興味を持って助けたいと思うか、もしくは怪異に興味を持つかがミソな気がします。前者はいうまでもなく、後者の怪異の扱い方は最高にワクワクしました。怪異に「感染する」、「あちらからこちらに侵略してくる」という概念がすごいいい。科学と怪異という直接繋がりにくい概念が、こちらが理解しやすい概念に変換されてるのがいいと言いますか。怪異の描写もゾッとして良い。
ただ惹かれたのはいいんですが……これ13巻まであるって本当?1巻で終わってた方が良いのではないですか?という気持ちになってしまいました。続くということは作中の人間が怪異に触れ続けるということですし、閣下の儚さがそれに耐えられるとは思えない……と惹かれるが故に続きを読みたくなくなってしまいました。でも世界観がとても好きなので結局続きも購入すると思います。
涼宮ハルヒの憂鬱の作者さんが書かれたこの作品、恥ずかしながら最近まで知りませんでした。今まで積んでたので、ふと読んでみましたがSFもの……でいいんですよね。当時の流行りなのかキャラのアクが強く、ちょっと飛ばし気味に読み進めてしまいました。多分2巻以降も読んで判断するべき作品なので、今後また琴線に触れることがあれば感想を書こうと思います。
妖怪と「同化」したことで超常的な力を得た高校生たちが自警団として町を守る話。
誰かに漫画を薦める機会があるなら、こちらを薦めると思うくらいキャラクター、話運びが最高な漫画。残念ながら3巻で完結してしまっているのですが、もっと先が見たかったと思わせる作品です。
ここまで作品に対して感想を述べてきたのでわかると思うんですが、私学園ものとオカルトがとても好きでして。この作品も突然手に力を手に入れた高校生が少しずつ仲間になっていくという最高のジュブナイルなんですよ。(主人公を少年と呼んでくれる女の先輩もいるし、主人公の女装回もある。)そして妖怪というオカルト要素!そりゃ好きになるのも当然ですね。しっかり妖怪と人間の関係性も描いてくれていて良いとしか言いようがない。周りに同化してることがばれちゃいけないハラハラ感も良い。
この作者さんが描くおじさん、そして男の友情が好きでして、他の作品だと「青春の幽霊」が好きです。確かツイッターかpixivにあったような気がするので是非。
this/disコミュニケーション!
1巻無料を契機としてSNSで話題になっていたこの作品(既に無料公開は終わっています)。私自身もこれをきっかけに最新刊まで読んだのですが、これが非常に面白い。すぐにここで書こうかなと思ったのですが、面白い以外になんと書けばいいのかわからず避けていました。いまだになんと言っていいのかちょっとよくわからない。1巻に作品の良さが全て表れているので無料公開は広報として最適だったなとは言えるんですが…とにかく読んでほしい作品。
舞台はリンク通り、突如現れた謎の生物によって人類は追い詰められた世界です。その世界で軍人をやっていた主人公デルウハは食糧を求めて元日本があったはずの高山に降り立ち、流れで改造人間である少女たちを率いて謎の生物と戦うことになる、という話。改造人間である少女たちは死ぬと1時間の記憶を失うのですが、それを主人公が利用して生き残りを図ります。
この話の魅力は主人公デルウハが異常なほどの合理主義者であること。突き抜けた異常さは読者に好悪を同時に抱かせてくれます。またその異常さに対して望みが日々の食事というささやか(と言っても作中では貴重なものですが)なものであるのも良いんですよね。
(他の作品を例に出すのもどうかなと躊躇ったのですが、このブログを読んでくれている方は目にしたことがあると思う「レイジングループ」の彼を思い出される異常っぷりが魅力なのです。彼が情を持ち他者にそれを他者に合わせることができるに人間である一方、デルウハは情が存在していることを知っているが、とことん利用するためのものだと考えている違いはあるんですが。おそらくギミックを利用する姿と異常性を持つということの2点が彼らの共通点だと考えています。)
デルウハと改造人間である少女たちの関係性も最高です。思春期の人間特有の不安定さや依存しやすさが作用するとこうなるのだなーといったとところ。大人と少女の歪な関係、たまらなくないですか?
とにかく最高なので是非とりあえず1巻を手に取っていただきたいです。次も楽しみ。
超王道漫画と癒しグルメマンガについて
最近はゲームよりも漫画を読むことが多いので、その中から2作品ほど感想を書こうかなと思います。ネタバレはないです。
突然親に魔界に売られた人間の少年が、人間だという事を隠して魔界の学校に通う成長譚。
最近秋田書店の漫画にも手を出し始めました。「吸血鬼すぐ死ぬ」も最近アニメ化してますが面白いですね。入間くんもゴールデンタイムにアニメを放送していて、初めはそちらで本作を知ったのですが、「子供向け」の雰囲気を感じて敬遠してました。ただ漫画で一気読みすると王道中の王道というストーリー展開で一周回って面白かったです。こんなに真っ直ぐな成長譚は私の想像の中のイマジナリージャンプ漫画でしか見たことなかったのでびっくりしました。青臭すぎて時々「うっ」となるのですが、同時にそれがこの漫画の良いところだなと思います。(今思うとブラクロが該当するのかもしれない)
それはさておき、話も良いのですが、特筆すべきなのは表現力です。特に19巻の演出が神がかっていて最高でした。表現力が高まるとこうなるのだという例ですね…。一対一で話し合うシーンの夜を跨ぐ表現の仕方も勿論、演劇!キャラの魅力や努力、熱量が余すことなく伝わってきて最高でした。
表現に力を割く分、展開が遅いので焦らされるのですが、今後も楽しみな作品です。
こちらも既にアニメ化され、また先日ドラマ化が発表された作品です。イケメン四人がいる京都のカフェでのお話、と書くと内なる捻くれた自分が「顔面が売りであまりストーリーは面白くないんでしょ?」と囁くものですが、これが面白い。いや、複数メディアミックスしてる時点で多くの人に売れているのは保証されているのですが。
ストーリーは基本的には店にやってきたお客さんの人生とそれに交差する店側四人の人生が描かれている感じ。どちらに主軸を置くわけでなく、両方丁寧に描かれているのが特徴だと思います。特筆すべきはストーリーだけでなく、ギャグのセンスが良い点。高い画力で描かれるギャグはクスリと笑うことができます。作品全体の雰囲気もですが、ギャグも上品でいいんですよね。またカフェ漫画…グルメ漫画で大切な食事も美味しそうに描かれていて、食欲をそそられます。この漫画にハマった時には近くのカフェ巡りなんてのもやってしまったくらいでした。
疲れた心を癒してくれる良い作品です。ドラマ化も楽しみだな。興味がある方はリンク先や、公式twitter、ゼブラックなど漫画アプリで試し読みできるので是非一読して見てください。
12/26追記
アニメ版も見ましたが、作画も声優さんも構成も素晴らしかったです。巻末で作者がスタッフに歓迎されたと描かれていましたが、本当にスタッフさんに恵まれたんだなぁと。特に猫がふわふわと可愛らしく動きも最高なところにそれが現れてる気がします。もちろんご飯も美味しそうでよかった。終わり方も原作を尊重しつつ、良い改編でした。漫画だけでなくアニメもおすすめです。