アンナチュラル 感想
アンナチュラルを見ました。石原さとみがどこから見ても可愛いという意味がわかりました。炬燵に潜るミコトさんの可愛さにすっかりやられた。以下感想。ネタバレ注意です。
舞台設定とキャラ
話のうまさに最後まで一気見してしまいました。
舞台設定なんですがUDIという架空の中立組織なので、現実ではありえないことも恐らくできてしまう。そして法医学、解剖医ということは死にまつわることなのでドラマが作りやすい上に向こうから事件が飛び込んでくる。うまい。キャラの作りと脚本の作りも非常にうまくて、残された側の人としてミコトさんと中堂さんが、ロクでもない息子として九部くんが重なる部分があって、ゲストキャラ(こういう言い方もなんですが)の話をしている中で彼ら主役の話をすることでキャラに厚みが出ていくのが非常にうまいなと思いました。
印象に残ったこと
一番印象に残ったのは九部くんにまつわることでした。彼は坂本さんが序盤で「君はあっち側の人だよね」と検査技師と医学生の線引きをされていて、中盤から後半で残されたことのない人と残されたことのある人、UDIと裏切り者、と何度か線引きをされていた様に思います。最終的にUDIの仲間として帰る場所ができたのでほっとしました。もう区切られなくていいのかなと。実家から切られても、スナックの話を思い出すとまあ大丈夫かなと思えてくる。続編があれば兄弟やこの辺いじってくれたら助かります。あとはミコトさんの名前を口で転がすシーンや泣いてる彼女のもとに走る姿が恋する青年として大変可愛らしかったです。恋する青年は可愛い。
あとは後半のやられたことをやり返すのか?という部分は非常に見応えのあるシーンでした。ミコトはジャーナルの人と同じ様に事実をねじ曲げるのか、犯人は母にやられた虐待を若い女にやり返した(鏡の話してる……)。少し話はずれるかもしれませんが中堂さんと獅子堂さんが互いに裏をかきあってたシーンも彼らの性格が出ていてよかった。
最終話と演出
最終話は名前のない毒で出てきたエチレングリコール、牡蠣の幼体を見つけるときの酸の話、裁判の話などこれまでの話を思い出させる要素が重要なポイントになっていて興奮してしまいました。また最後は1話に似た様な状況になって、彼らの旅の終わりであり旅の始まりであるいい終わり方でした。
演出面では、生きていく描写にご飯のシーンを効果的に入れていたところが好きです。あとは助かることはわかっていてもハラハラドキドキさせられる演出。久しぶりにドラマを心から楽しめました。
総括
逝ってしまう人と、残された人の話をずっとしていましたね。残されたことのある人にとって非常に響くものがあるドラマではないでしょうか。lemonがまた良い。
死に向き合う話なので全体的に暗い様に思えますが、不思議と明るい気持ちになれる作品でした。旅は続く、という一言にすべてが詰まってるのかも。たまたま生きてる私たちと、たまたま死んでしまった彼ら。許される様に生きるしかない。たとえ別れてもまたどこかで。